私達は、成田空港の開港以来40年以上も騒音を受けながら生活を続けて来ました。
さらに、2018年空港会社と国交省は、空港の機能強化を掲げ千葉県と空港周辺の9市町と連携体制を作り(四者協議会という)推進ありきの機能強化策を進めています。住民説明会でも一方的な説明で幕引きをはかり、四者協議会内だけで筋書き通りに「合意」が締結されました。それによって年間50万回という内陸空港ではあり得ない飛行回数を実現しようとしています。具体的には3500MのC滑走路を新設し、B滑走路を1000M延長させ3500Mにし、飛行時間は早朝5時から深夜24時30分、悪天候などの理由で25時まで飛行が許可されます。そうなると居住地にとどろく騒音は20時間となり、静穏時間はたったの4時間しか無くなります。しかも騒音間隔は40秒おきの連続爆音で、その中で20時間も過ごす事になります。
私達にどう生きろというのでしょうか。
長く騒音を曝露(ばくろ)している人は「慣(な)れ」という感覚の麻痺で生活をしています。世界保健機関(WHO)や北海道大学の教授らも報告しているように、騒音や振動により睡眠障害、心臓血管系疾患、精神疾患、糖尿病、子供の認知障害などの様々なリスクが高まり多くの危険な要因が体をむしばんでいることを指摘しています。
現実に国交省の補佐官は「野外の騒音は全く防ぐことはできない」とハッキリ言っています(2019年3月12日の行政交渉)。
また、法的に空港会社に義務づけられている防音設置工事は初回のみです。時間の経過とともに劣化し、亀裂の入った防音家屋で連続した年間50万回の爆音から一家団欒を守りきることができるでしょうか。20時間騒音公害の中で子育てができるでしょうか。孫にこんな劣悪な環境を残せるでしょうか。
コロナ禍前の飛行回数は年間約26万回でした。開港以来40年以上も騒音を我慢し続けて来たあげくが年間50万回20時間騒音という結果です。この飛行回数は住民の生活に配慮したものではなく航空管制能力の限界レベルの回数なのです。
私達は、空港の機能強化の改善を国土交通省、千葉県、空港会社、市町に要望や意見を繰り返し訴えて来ました。また、国会議員(福島みずほ議員)の協力をえて数年にわたり国会(参議院会館)で「行政交渉」も行って来ました。しかし、国交省や空港会社は用意して来た原稿を読みあげ、空港の機能強化策を進めて行くという主張を繰り返すばかりです。
私達は呆れ果て万策も尽きました。もう我慢の限界です。
このままでは私達の未来の生活環境を守ることが出来ないと判断し、同じ被害を受けている周辺の住民と本会を発足し、郷土に「眠れる夜と静かな朝を取り戻したい」
「将来の生活環境を守りたい」という思いから、また最終手段として訴訟をもって、司法により年間50万回20時間飛行が妥当な政策なのかを判断していただきたいと思いました。
これは郷土に住む一人ひとりが自分の生活環境を守る行動です。第三者に将来をゆだねるのではなく、自らが行動し自分の手で郷土を守って行くのだと決意した訴訟です。